Japan Regional Explorerトップ > 地域文・近畿地方 > シリーズ京都を歩く・目次

シリーズ京都を歩く

第二段のページへ
1.東山散策
第一段 三十三間堂界隈

2003年1月4日、前日下関から乗り込んだムーンライト九州は、京都駅に到着しました。斬新なデザインで開業当初は多くの議論が飛び交った京都駅ビルですが、その圧倒的な規模、機能的なスタイルには、私はどちらかというと好感を持っています。これから、京都の散策が始まる、という玄関口の事物として、かなりのアクセントになっているように、「個人的には」思っております。

朝食をとって休憩をした後、午前8時頃、やはり駅前の京都のランドマーク「京都タワー」のふもと塩小路通を東へ出発しました。河原町通りをわたると、ほどなくして、鴨川にかかる塩小路橋へ。この橋付近は町並みも落ち着いていて、四条河原町あたりの建物群がいい遠景となって、美しい都市景観が見られます。橋の南からは、琵琶湖疎水が顔を出して、鴨川の横を流下していきます。

三十三間堂付近の景観

三十三間堂南側の景観
(2003.1.4撮影)
養源院

養源院から三十三間堂方向を望む
(2003.1.4撮影)

さらに、庶民の香りのする下町を進むと、三十三間堂の南大門へ。この南大門に向かっては、木塀の落ち着いた雰囲気と、かすかに漂うお香の香りの芳しさが印象的でした。南大門からは、西に三十三間堂、東に養源院を見ながら、国立博物館の前まで比較的整えられた街路が続きます。養源院は、桃山御殿(伏見城)の木材を使用した「血天井」があることで知られますが、現在は白と桃の山茶花が新春の青空に映えて美しいお寺でした。京都のすごみは、都市的雰囲気の強い市街地の中に社寺が点在しているなかで、一歩それらの中へ入ってしまうと途端に空気が一変し、それぞれの雰囲気の中へ引き込まれてしまうことなのだ、といきなり感心しました。

朝早い時間のため、三十三間堂、養源院両方とも拝観はできず、国立博物館も開館前で、既に訪問したことのある智積院の山門を見やりながら、東大路へ。智積院から妙法院に至る美しい土塀の景観を楽しみ、方広寺と豊国神社方面へ歩を進めます。この2つの社寺は、秀吉にゆかりのある場所です。方広寺には、あの有名な「国家安康 君臣豊楽」という文字の刻まれた鐘が現存します。といっても、この2つの熟語が大きく記されているわけではなく、無数の小さな漢語の中に小さく小さくある程度のものです。鐘にはご丁寧にも該当箇所に白丸がされてありました。また、隣の豊国神社も秀吉を祀った神社で、檜皮葺きの唐門は、伏見城のそれを移築したものであるといいます。門の横には誇らしげにせんなり瓢箪がかざられていました。また、東側の鳥居の向こうには、京都の町並みへの視界が開けて、鳥居越しに眺める町並みもまた風情があって、とても感激しました。

豊国神社

豊国神社から鳥居越しに町を望む
(2003.1.4撮影)
関西テーラー

関西テーラー
(2003.1.4撮影)

その後、豊国神社横の大和大路通りから、日本最初のたばこ生産工場だった建物を使用する関西テーラーの前を通りながら今日の下町のたおやかな風情を楽しみ、五条(国道1号)の高架下をくぐり、六波羅蜜寺で縁起物の稲穂に小さい俵をつけてもらい、六道珍皇寺を見学して、清水寺へと続く清水坂の入口に到着しました。時間は9時30分になっていました。


第二段のページへ
このページのトップへもどる

シリーズ京都を歩く目次のページへもどる           ホームページのトップへもどる

(C)YSK(Y.Takada)2003-2004 Ryomo Region,JAPAN