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都道府県花暦

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3.ミヤギノハギ(宮城県)

宮城野には、萩が似合います。

古代より歌枕として多くの歌人の憧憬を集めた宮城野原の情景の中には、きっと朝露の光る、草原にたおやかに咲き誇る萩の姿があったのだと思います。現在でも、多くの公園や庭園、個々の庭先などにおいて盛んに植えられておりまして、それぞれに涼しげな容貌をみせてくれていますね。

現在では全国各地で広く植栽されておりまして、野生種が見つけられていないくらい、広く日本中で親しまれている花のようです。



ミヤギノハギ(YSK画)

このミヤギノハギですが、冬季は大部分の枝が枯れてしまうのですが、春から夏にかけて一斉に枝葉を伸ばして垂れ下がり、立秋を過ぎたあたりから、紅紫色の花をたくさんつけます。その旺盛な生育力は目を見張るものがあります。それでいて、たおやかに秋風に吹かれながら、「もののあわれ」を感じさせるあたりは、このミヤギノハギの魅力なのでしょうか。輝きがあれば、暗がりもある。ミヤギノハギは、そういった無常の世界を体現しているようにも感じられます。

かつての仙台商業高校の西側に、道路の西側に沿ってたくさんのミヤギノハギが植えられていまして、秋口にいっせいに可憐な花を咲かせています。古代の人々が思いを馳せたミヤギノハギの美しさは、現代においてもいささかの衰えも見せていないように思います。

宮城野の萩一陣の風が吹く

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