Japan Regional Explorerトップ > 地域文・関東甲信越地方 > 関東の諸都市地域を歩く・目次
関東の諸都市・地域を歩く
←#133(長瀞編)のページへ |
#135(羽生・行田編)のページへ→ |
|||||||||||||||
#134 和光市駅周辺を歩く ~近年脚光を浴びるベッドタウン~ 2017年9月9日、長瀞・秋の七草寺めぐりを終えた私は、秩父鉄道線から東武東上線を乗り継ぎ、東京都へ入る手前の和光市駅で下車しました。和光市駅には東京メトロ有楽町線と副都心線も乗り入れているため、同駅からは池袋、新宿、渋谷を経て横浜方面へと乗換なしで向かうことができます。こうした利便性から近年は穴場的な「住みたい街」として注目されているとの報道もしばしば目にするようになりました。小規模な駅前ロータリーの周囲に中小の商業ビルがひしめく南口駅前を出発しました。なお、本稿執筆現在では南口では複合商業施設が入居する再開発ビルが2020年春の開業を目指し建設中です。
駅を出て西へ、市街地の中を歩いて行きますと、程なくして本田技研工業の広大な敷地へと突き当たります。2002年6月まで稼働した和光工場跡であるこの場所には、和光本社と通称される「和光ビル」と、研究開発を担う施設が設置されていまして、引き続き同社における主要拠点として機能しています。本田の敷地の西側には東京メトロの車両基地である「和光検車区」があって、東京メトロにおける主要結節点としての同駅の位置づけを象徴しているように目に映りました。検車区前の県道を南へ進み、本町小学校前交差点で交差する東西の通り(県道109号)、そして国道254号へと向かって歩きます。前者はかつての川越街道筋を踏襲していて、和光市域には白子宿が置かれていました。現代的な町並みの中にも、風情のある住宅や個人商店が点在する風景は、ここが歴史ある宿場町をその礎としていることを幾ばくか感じさせます。交通量の多い国道254号沿いを進み、市役所入口交差点を南へ。市役所の向かい側は陸上自衛隊朝霞駐屯地の敷地となります。和光国際高校や、西に隣接する和光特別支援学校、和光南特別支援学校の北側の桜が植えられた街路を歩きながら、これらの校地の南にある和光樹林公園へと足を踏み入れました。 広大な樹林地や芝生広場を中心に、ジョギングコースや体育館が整備されたこの公園は、初秋の夕方の穏やかな空の下、たくさんの市民が訪れていまして、それぞれの休日を過ごしているようでした。和光樹林公園や自衛隊駐屯地を中心としたこのあたりの地図を確認しますと、上記した学校のほか、税務大学校や国立保健医療科学院、理化学研究所などの大きな用地がまとまっていることに気づきます。東京外環道が縦貫する、この広大な一連の施設群のある土地には、第二次世界大戦の期間中は軍需工場(東京陸軍被服支廠)が存在していました。戦後は米軍基地(キャンプ・ドレイク)となり、全面返還後に上述の施設用地へと転換されました。和光樹林公園の南には都県境が迫り、都立大泉中央公園へとつながっています。公園内の木々は植樹されたものであるようですが、その豊かな樹勢は、雑木林が広く展開する武蔵野の原風景の雰囲気を感じさせているようでした。
公園を出て、半地下となっている外環道沿いを北へ辿り、和光市駅への帰路に就きました。2004年に113番元素である「ニホニウム」の合成とその証明に成功したことを記念するプレートが設置された理化学研究所前を通り、国道254号と旧川越街道を越える歩道橋上から、市街地としての密度のある和光市駅前周辺と、外環道東側の、小規模な林の周囲が宅地化された、かつての農村的な土地利用の姿が想像される風景とのコントラストを確認しました。 |
←#133(長瀞編)のページへ |
#135(羽生・行田編)のページへ→ |
||||
関東を歩く・目次へ このページのトップへ ホームページのトップへ |
|||||
Copyright(C) YSK(Y.Takada) 2019 Ryomo Region,JAPAN |