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22.夏みかんの花・みかんの花(山口県・愛媛県) 地域が誇る特産の果樹の花を県の花に制定している府県は多いですね。これまで青森県のりんごの花、岡山県の桃の花、和歌山県などの梅の花をご紹介してきました。今回は、りんごと並び、わが国では最もポピュラーな果物の1つであるとも考えられる、「みかん」の花を県の花にしている山口県と愛媛県をテーマにしたいと思います。細かく言いますと、山口県のほうは「夏みかん」、愛媛県のほうは「みかん」です。みかんの仲間の花は、品種が違ってもほとんど同じような花を咲かせまして、夏みかんとみかん(温州みかん)とでは、私にもその違いが判別できません・・・。ということで、今回は山口県と愛媛県とを一括して話を進めていきたいな、と思います。 りんごの花が春の訪れを告げる花なら、みかんの花は初夏の到来を語りかけてくれる鮮烈さをもつ花のようです。夏みかんの原産地として知られる山口県のホームページの記述をお借りしますと、5月になると夏みかんの花がいっせいに開いて、あたりに香水をまいたような香りが漂う、とあります。山口県・萩城下町の代表的な風景として、土塀に夏みかんの実が重なる景観が知られているところですが、夏の初めには芳しい香りをいっぱいに含んだ、純白のちいさな花弁が土塀をたおやかに彩ることになるのでしょうか。
愛媛県は、申し上げるまでもなく、日本一のみかんの生産県です。オーソドックスな温州みかんのほか、伊予柑やポンカンなど、さまざまなみかんが栽培されていまして、他の追随を許しません。瀬戸内に開けた温暖な土地柄が、愛媛県のみかんの土壌に大きく寄与していまして、また当地のゆたかな地域性、情景をつくりだしています。段々畑に輝くみかんのやわらかな花びらは、瀬戸内の凪いだ小波が反射する陽光に照らされながら穏やかに輝いて、伊予路の初夏を暖かく演出している光景が目に浮かびます。 みかんの花は、土地土地のあたたかさ、きよらかさ、慎ましさを内包しながらも、どこまでも明るく、そして清楚に、小さな花を青々した葉の間に咲かせています。 母に手を引かれて蜜柑の花笑ふ |
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