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都道府県花暦

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14.ももの花(岡山県)

3月3日のひな祭りは、「桃の節句」とも呼ばれ、女の子の健やかな成長を祈る行事として定着していますが、供えられる桃の花はとても鮮やかで、まさに深い「桃色」を呈したあでやかな花ですね。梅、桜とともに春を代表する花である桃の花は、春の季節を語る上ではなくてはならない花ですよね。温かみに満ちた花の色彩はもちろんのこと、花びらの桃色のエッセンスが見事に凝縮された、瑞々しいつぼみの優しい膨らみさえも、まさに春うららかな、おだかやな日差しを象徴しているかのようですね。岡山県はそんな「ももの花」を県の花としているのですが、ももの花のそんなのどかなイメージとともに、それは桃栽培に歴史を持つ岡山の地域性を象徴しています。

岡山県における桃栽培の歴史は、明治期にその端緒を求めることができます。桃栽培が同時期に本格的に開始されました。「桃」と言いましても、品種改良によって100を越える品種があるのだそうですが、それらの品種のルーツは、よく知られた「白桃」です。白桃は、明治期に岡山で生まれ、名品として受け継がれているものでして、現在、桃栽培の盛んな山梨や福島、長野などの大半の桃も、実は岡山の桃が広がっていったものなのだそうです。生産量こそ、岡山県の桃はこれらの諸県より少なく、全国5位の規模となっているのですが、日本の桃栽培の発祥地として、高い品質を維持してきた岡山県にとって、桃は地域を象徴する産物の1つであり、「ももの花」はそんな岡山をシンボライズしているということなのでしょう。


桃の花

ももの花と桃畑(YSK画)

かぐわしい香り、花びらのゆたかな色合い、そして素朴ながらも気品溢れるその容貌は、命が溢れようとしている春の大地のなかにあって、一際輝きを放ちます。桃栽培にかけてきた岡山の地域性と、春のあたたかな空気のなか、ももの花はいっそう美しい「桃色」を、淡い春の青空へ届けます。

桃の花水車のゆっくり廻りおる

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