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18.ウメ(大阪府、和歌山県、福岡県) 梅の花を県(府)の花にしているのが、大阪府、和歌山県、福岡県です。3つの府県が同じ花を制定しているのは、この梅の花だけです。早春に鮮やかな色を青空に届けるこの花は、日本人にとってもっとも馴染み深い花の1つであるということの証左なのかもしれませんね。 この文章を書いているのは2月19日ですが、ちょうど今の時期、庭先や山すそ、活けてあるものや生花店の店頭など、いろいろなところで梅の花を見ることができますね。紅白の梅の花は、滲むような早春の青空にとてもよく映えていまして、長かった冬の寒さに耐えてきた時期がようやく終わりに近づいてくることを実感させ、心あたたまる温もりを覚えるものです。また、この頃から各地の梅園や庭園でも美しい梅の花が咲き誇るようになりまして、地元群馬県安中市の秋間梅林や、お隣埼玉県越生町の越生梅林、小田原の曽我梅林など各地に梅の名所はありますよね。水戸の偕楽園でも梅まつりがそろそろ始めるのではないかと思います。梅は立春を過ぎて少しずつ緩んできた冬の気配が、春の色に転換しつつあることを端的に宣言しているシグナルであるようにも思います。名園の梅、盆栽の梅、畑の隅にひとり咲いている野性的な梅、そのどれにもそれぞれに魅力があり、それぞれのステージで、それぞれの色彩で、春の到来を精一杯告げているように思います。本当に、素晴らしい花だと思います。 また、梅は食べ物としても日本の文化に欠かせない植物ですね。梅干しや各種の梅の加工品は、日本の食卓になくてはならないものでして、和歌山県の南高梅などのブランドを生み出しています。
大阪府は、サクラソウとともに梅を府花に定めています。ホームページの解説によりますと、古今和歌集に「難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」と謳われるなど、大阪府にとってゆかりの深い花であるとしています。そうえいば、現在こそ桜が春の花として珍重されるようになっていますが、古来春の花として最も大切にされた花は梅で、「花」と一文字あればそれは梅を指すものであるといわれていますね。現在でも大阪城公園をはじめ梅の名所が知られていますね。古の難波津にあっても、気品ある美しい花をきっと咲かせていたのでしょうか。 和歌山県は、上記しましたとおり、作物としての梅の栽培が盛んな土地柄です。県南部を中心に栽培されていまして、たおやかな紀州の山の春は、梅一色に染まることでしょう。その情景を思うと、心躍りますね。こちらは、県民投票で決まったとのこと、本当に梅の花は県民にとっての誇りなのでしょう。 福岡県で梅といえば、太宰府天満宮ですね。菅原道真公を慕って、都から一夜で飛んできたと伝えられる「飛梅」をはじめ、境内には197種、約6千本の梅があるそうで、紅梅、白梅、早く咲くものから遅咲きのものまで、たくさんの梅の花が咲きそろいます。 梅の花通ふ土道温みけり |
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