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俳句の中の地域

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#20 円山公園の枝垂桜、妖艶な夕景(京都市東山区)
 (2023年3月30日執筆)

2010年4月10日、早朝の嵐山から始まった京都の桜探訪は、夕方になってようやく祇園に隣接する円山公園へと到達しました。園内にある枝垂桜は、この公園のシンボルとして、多くの市民に親しまれる存在です。東山の山並みを望む園内はとても穏やかに散策を楽しめる場所となっています。枝垂桜は例年ライトアップが行われていまして、夕闇に染まる空の下、ゆるやかに春の夜風にたなびいていました。

春の夕 円山公園の蒼空 

円山公園の枝垂桜
円山公園の枝垂桜(2010.4.10撮影)



#19 哲学の道のソメイヨシノ(京都市左京区)
 (2023年3月29日執筆)

半木の道から賀茂川を下り、出町柳から東へ、東山の裾を流れる琵琶湖疎水沿いの散策路が、有名な「哲学の道」です。南禅寺の北あたりから銀閣寺の入口付近まで、穏やかな遊歩道が続きます。春は桜の名所で、多くの観光客が訪れます。山裾の高台に疎水はあるので、場所によっては京都盆地を俯瞰できまして、四季折々に豊かな景色を臨むことができるのも魅力です。

春時雨 琵琶湖疎水に 寺の鐘

哲学の道のソメイヨシノ 
哲学の道のソメイヨシノ(2010.4.10撮影)




#18 賀茂川沿い、半木の道のシダレザクラ(京都市左京区)
 (2023年3月28日執筆)

 市街地の桜から東へ、左京区の賀茂川のほとり、府立植物園近くの散策路、「半木(なからぎ)の道」へやってきました。この場所は紅枝垂桜の並木道が続いていまして、賀茂川の穏やかな風景と相まって、美しい春の風情に浸ることができるようになっています。嵐山や東山方面などの主要な観光地から外れて、どちらかというと地元の人が楽しむ隠れた桜の名所となっているように感じられる場所です

紅枝垂 賀茂川端の 夜半の雨 

 
賀茂川沿い、半木の道のシダレザクラ(2010.4.10撮影)


#17 桜が咲き乱れる二条城の風景(京都市中京区)
 (2023年3月27日執筆)

 平野神社の桜を探勝した後は、京都市内の桜が美しい寺院などを巡りながら、堀川通沿いの世界遺産・二条城へ。大政奉還をはじめ、多くの歴史的な出来事の舞台となった城跡は、この一時、春の装いに彩られていまして、歓びの詩を春空へ響かせているように感じられました。

花盛り 二条城の床の照り 

二条城・桜が咲き乱れる風景
 二条城、桜が咲き乱れる風景(2010.4.10撮影)



#16 境内の満開の桜・平野神社(京都市北区)
 (2023年3月26日執筆)


 桜が見頃を迎えた2010年4月10日の京都の彷徨は、金閣寺から西大路を南下し、境内に桜が多いことで知られる平野神社へ。ソメイヨシノを始め、たくさんの種類の桜がいっぱいに花を咲かせていまして、まさに桜の共演といった風情でした。このような艶やかな桜の風景を目にしながら、これまで目にした数々の、素晴らしい出来事や風景が重なりました。そうした感情を俳句に表現してみました。

花の色 凌駕する日々の記憶


境内の桜が満開の平野神社
境内の桜が満開の平野神社(2010.4.10撮影)



#15 春空の下、輝ける金閣寺(京都市北区)
 (2023年3月25日執筆)


 多くの観光客が訪れる金閣寺ですが、立地としては京都盆地の北縁、衣笠山の山麓に沿うように境内地を広げていまして、拝観ルートは一部その丘陵を上がり、舎利殿(金閣)を見下ろす場所を通過するように設定されています。金閣寺は正式には鹿苑寺といい、その寺号足利義満の法号に因み、その前身は義満の山荘でした。周囲の都市化により京における郊外の遊興地としての風情はやや薄れているように感じますが、高低差のある境内に、そうした歴史的な背景を推し量ることができるような気がいたします。

若草や 盆地の果ての 金閣寺


春空の下の金閣寺
春空の下の金閣寺(2010.4.10撮影)


#14 きぬかけの路、新緑が眩しい風景(京都市右京区) (2023年3月24日執筆)

 
仁和寺から龍安寺を経て、金閣寺(鹿苑寺)へ向かう道路は、「きぬかけの路」と呼ばれます。宇多天皇が夏に雪見をするために衣笠山(きぬかけ山)に絹をかけた故事に因み、公募によって命名された愛称であるとのことです。緑がまぶしいこのルートは、世界遺産の3つの寺を結ぶ路として歩いて散策するにも気持ちのよい道路です。この日も緑が鮮やかな中、とても快く「きぬかけの路」を歩くことができました。

山笑う 地図に記した 誕生花 


 きぬかけの路
きぬかけの路の景観(2010.4.10撮影)


#13 龍安寺・石庭の春(京都市右京区) (2023年3月23日執筆)

 
2010年4月10日の京都散策は、仁和寺から龍安寺へと続きました。ともに世界遺産の構成資産で、龍安寺の石庭はあまりにも著名です。この日は石庭に面するシダレザクラも見頃を迎えていまして、写真のような、美しい春空の下の石庭に出会うことができました。枯山水の幾何学的な砂紋のさまに、しなやかな詩を感じて、このような俳句にまとめてみました。

春天の石庭 砂紋の散文詩 


 龍安寺・石庭の春
龍安寺・石庭の春(2010.4.10撮影)


#12 仁和寺の御室桜(京都市右京区) (2023年3月22日執筆)

 
2010年4月10日は、嵐山の散策の後は嵐電で「御室」と呼ばれる仁和寺へ移動しました。広い境内にはソメイヨシノなどの桜もあって身頃を迎えていましたが、京都市内でも遅咲きの桜として知られる「御室桜」は咲き始めで、数輪の花がようやく花開いているところでした。晩春のトリを務める御室桜の風雅に別れのにおいを感じ、このような俳句ができあがることとなりました。

 別れ際 御室桜の微風かな


 
仁和寺・御室桜(2010.4.10撮影)


#11 春の嵐山の風景(京都市西京区)
 (2023年3月21日執筆)

 2010年4月10日、春爛漫の京都を訪れました。早朝に夜行バスで京都駅に着き、日没後にまず嵐山に来ることが多く、朝早い嵐山は人出もまだまだ少なくて、快適な散策を楽しむことができます。嵐山の中腹のヤマザクラやソメイヨシノはまさに満開で、うららかな春の日差しをいっぱいに受ける風景は、えもいわれぬ暖かさに満ちていました。

 春の山 開店前の喫茶店

 春の嵐山の風景
 春の嵐山の風景(2010.4.10撮影)

                                                  
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