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都道府県花暦

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20.ハマユウ(宮崎県)


花は季節とともに移り変わり、その時ごとに美しい姿を見せてくれています。花がたおやかに咲く姿を見て、私たちは季節の移ろいを感じます。そして、もう1つ、花は時として地域性というか、その土地の風土を象徴することがあります。南国に赴き、原色の鮮やかな色彩の花弁を目にしたとき、私たちは南の国に来たことを実感しますね。ハマユウ(浜木綿)は、そんな地域性を織り込んだシーンの中に、登場する花なのではないでしょうか。

関東地方以南の太平洋岸の砂地に主として生育している植物で、「浜木綿」という表記は、一般に、特徴的な花の様子を木綿に例えたといわれているようですが、葉の付け根あたりの部分が、祭礼に用いられた幣(ぬさ)に似ているからという見方もあるようです。いずれにいたしましても、葉柄の先端がいくつにも分かれ、そこから白色の縮れた花弁がたくさん垂れ下がるようにつく咲き方は、実に特徴的です。調べてみますと、ヒガンバナ科とのことで、そういえば彼岸花に花が似ているような気もいたしますね。


ハマユウ

ハマユウ(YSK画)

述しましたとおり、西南日本の太平洋の砂浜では一般的に見られるハマユウですが、宮崎県でも宮崎市の青島や日南海岸などに広く分布していまして、その亜熱帯的な雰囲気と共に、白い花びらが南国的な雰囲気を盛り上げているようです。花季は、6月から9月頃までで、日向国の夏をまさに彩る花であるのだと思います。

温室などでもしばしば見られますし、最近では庭に植えられることも多いといいます。海岸で南国の夏を演出する花も、庭先でその季節性を楽しむ植物になってきているのかもしれません。別名を浜万年青(はまおもと)といいます。これは、葉が厚く、万年青のそれに似ていることからの命名です。浜の万年青、という名前にあるとおり、浜辺で穏やかに盛夏の太陽に光を受けて燦然と輝く姿が、ハマユウに一番似合っているように思いますが、いかがでしょうか。


潮騒の逢ふ浜木綿の夕べかな

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