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都道府県花暦

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21.ミヤマキリシマ・雲仙つつじ(長崎県、鹿児島県)


都道府県花として、つつじの仲間を制定しているところは、けっこう多いようです。栃木県はヤシオツツジ、群馬県はレンゲツツジをそれぞれ県の花に定めていますし、静岡県は単に「つつじ」としています(静岡県の段は、どのように描けばいいのか悩んでしまいます。滋賀県の「しゃくなげ」というのもちょっと曖昧・・・)。九州でも、長崎県が「雲仙つつじ」を、鹿児島県が「ミヤマキリシマ」を、それぞれ県の花としています。今回は、前項の宮崎県に続き、この両県の県花を一緒にご紹介したいと思います。なぜ、そのようにするのかと言いますと、名前は違えど、この2つ、実はほぼ同じ花を指しているのです。

種の名前としては、「ミヤマキリシマ」が用いられるのですが、長崎県雲仙に自生するミヤマキリシマは、特に「雲仙つつじ」という愛称で呼ばれていまして、その群落は天然記念物に指定されるなど、地元で愛されているのだそうです。正確には、雲仙つつじは、雲仙に群落をつくるミヤマキリシマ及びミヤマキリシマとヤマツツジの交配種を指す呼び名、ということになりまして、厳密に言いますと「雲仙つつじ」は種の名前ではないということになります。とはいえ、ミヤマキリシマを中心としたコロニーを指す用語であると思いますので、以下、ミヤマキリシマの名前を中心に書き進めていきたいと思います。


ミヤマキリシマ・雲仙つつじ

ミヤマキリシマ・雲仙つつじ(YSK画)

ミヤマキリシマは、九州各地の高山地域に群生を作っているようです。前述の長崎県・雲仙のほか、名前の由来となった鹿児島県霧島山系、大分県久住山系、阿蘇山周辺などにおいて、たおやかなピンク色の花を山肌いっぱいに咲かせているようですね。5月末から6月にかけて、淡いピンク色から、赤色、白色、紫色の花に彩られます。その可憐な姿は、九州の初夏の風物詩となっているのでしょうね。インターネットで検索してみますと、九州各地に自生している、美しいミヤマキリシマの写真をたくさん見つけることができました。山を歩きながら、ミヤマキリシマのやさしい色合いを楽しんでみたい、そんな衝動に駆られます。

ミヤマキリシマは、深山霧島、の意味でしょうか。山を分け入って、突然開ける視界、その彼方の、なだらかな斜面を覆うミヤマキリシマのやわらかな色彩は、九州の山並みに抱かれて、いっそう淡く、そしてしっかりと、輝きを放っていくことと思います。

山在りてふたり追ふ深山霧島

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