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32.デイゴ(沖縄県) 常夏の大地には、やはり鮮やかな花が似合います。拙稿・沖縄本島旅行記エッセイにおいて書かせていただきましたとおり、原色の鮮やかな花々が庭先や公園、道路沿いやさとうきび畑の間など、あらゆる場所において観察されます。ハイビスカスやブーゲンビレアなどがそのくっきりとした色彩を見せる中にあって、沖縄県花の「デイゴ(梯梧)」は空にも染まらぬ赤い花弁を凛と輝かせて、どこか孤高の美しさを醸す花のように感じられます。以下、沖縄県のホームページにある説明を引用して、この花のアウトラインをご紹介いたします。 デイゴの原産地は遥か南のインドとのことです。マメ科の喬木落葉樹で、沖縄がその分布の北限とされます。3月から5月に、独特の屈曲を持つ枝ぶりの樹冠いっぱいに、深紅色の燃え立つような花を咲かせます。 南国沖縄を象徴するのにふさわしく、観光資源として大きな効果があること、また幹材は、漆器の材料として用いられ経済的価値も高いという理由で、1972(昭和47)、沖縄県の花として制定されました。
パステルカラーの色合いに溢れるといった、華やかさはあまり感じませんが、この上ない存在感を持っているように思います。デイゴの真っ赤な花びらは、南の大地を穏やかに照らし出しているような、責任感というか、やさしさというか、この地をいつまでも見守っていかんとする頼もしさを内包していると思えてなりません。沖縄の歴史に思いますと、そういった感慨もいっそう深く、そして重いもののように思います。 ここに、印象的なデイゴの木の写真があります。宮嶋康彦著『花行脚・66花選』日本経済新聞社 に掲載されているデイゴの木は、上にお話したようなストーリーを感じずにはいられないほどの姿をみせています。石垣島の大地にひとり生きるそのデイゴの木は、ゆったりと、しかしシャープに流れてきた時の流れを幹に、花に刻みながら、南国の空に向かい合っています。上の絵は、その写真をモチーフに描いています。 海原の穏やかなるや梯梧咲く |
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