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4.スイセン(福井県) 福井県の越廼村から、越前町、河野村にかけて展開する越前海岸には、日本でも随一のスイセンの群落が広がっておりまして、「越前水仙」として知られています。 「越前水仙」は、ヒガンバナ科スイセン属房咲種の変種でして、室町時代に中国から渡来したものが栽培されたのが始まりと伝えられているそうです。 越前海岸は房総半島、淡路島に並ぶ日本水仙の三大群生地のひとつとして知られておりまして、その規模は日本一としているホームページも見ました。 現在では、河野村、越前町、越廼村に約60ヘクタールの水仙畑が広がっていて、切り花用として、さかんに栽培がなされているようです。 スイセンは、春爛漫の季節、百花繚乱に咲き誇る鮮やかなイメージというよりは、どちらかというと淡い色彩のイメージのように感じられますね。ざらざらした雪がわずかに残る、湿った土の上にひそやかに花を咲かせ、いまだ冷たい風にもそのやさしさあふれる花の色をさらして、やわらかな春の日差しを受けている。スイセンには、そういった慎ましさを感じます。
日本海からの冷気に冷やされた風にさらされる越前海岸は、早春とはいえ、スイセンが花を咲かせるにはやや厳しい環境にあるといえるのかもしれません。そういった冷たい風を受けながら、早春の暖かさを凝縮したような穏やかさを見せる「越前水仙」の容貌は、実に情感溢れるものであろうと想像いたいます。 越前に光射す朝雪中花 註)「雪中花」は、スイセンの代名詞です。 |
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