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25.つつじ(静岡県) 晩春から初夏にかけて、つつじは庭先や公園などで、一際鮮やかな花を咲かせます。主要道路の中央分離帯や側道と車道とを分ける部分にも比較的多く植栽されていまして、この季節、葉の色が見えないほどにいっぱい花を咲かせるつつじの鮮やかさには、はっとさせられることもありますね。前回ご紹介した、鹿児島県のミヤマキリシマ、長崎県の雲仙つつじのほか、「つつじ」の仲間を県の花にしている都道府県として、栃木県のヤシオツツジ及び群馬県のレンゲツツジをあげることができます。今回取り上げる静岡県は、単に「つつじ」として、県花を定めています。みかんと夏みかんの項のように他の品種と同じ項目で取り上げてもよいのですが、今回は一般的に私たちが目にする花木としての「つつじ」に着目し、静岡県内のつつじの名所のお話をからめながら、文章を書き進めてまいりたいと思います。
つつじが静岡県の花として採用された経緯を、県のホームページでは、 「県民のだれにも親しまれ、栽培も容易で本県の気候風土に適したもの」という条件で静岡県花の会連合会が「県の花」を公募した結果、最高点だった「つつじ」を県の花に決めた。 としています。静岡県といいますと、全国一のお茶や、有数の生産量を誇るみかんやいちごなどの産物の花が想起されるのですが、そこは伊豆、駿河、遠江の三国にまたがる多様な地域性を持つ静岡県、「県民の誰にも親しまれ、栽培も容易」という条件に照らした場合、最終的につつじに落ち着いた、ということなのかもしれませんね(真相はわかりませんが・・・)。お茶の花の場合、花を咲かせてしまうと茶葉の品質が落ちてしまうということもあるのかもしれません。 静岡県内でも、つつじの名所がたくさん知られているようです。上に掲げたつつじの絵は、その中の1つ、伊東市の小室山公園をモチーフに描きました。およそ40種、10万本つつじが咲き乱れるほか、椿や紫陽花の名所としても知られている場所とのことです。静岡県の穏やかな風土の一要素として、生活に密接に結びつきながら、つつじはいっそう鮮やかな花をいっぱいに咲かせています。 躑躅咲くトンネル抜けた風泳ぐ |
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