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シリーズ・クローズアップ仙台
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#87 八乙女駅とその周辺 〜泉区の交通結節点〜 2013年11月2日、仙台市北部、泉区の東南部にある八乙女を訪れました。地下鉄南北線八乙女駅を中心に「八乙女中央」地区があり、それに東接して「八乙女」地区が割り出されています。旧奥州街道の道筋を踏襲する県道22号仙台泉線と、泉区から青葉区の丘陵地帯に開発された住宅団地群を横断する県道37号仙台北環状線とが交差する、交通量の多い地域です。地下鉄の開業時は泉中央駅は完成しておらず、八乙女駅が北端でした。そのため、バスプールが設けられ、公共交通上の結節点としても機能しています。泉中央駅の開業により、バス路線は近隣の住宅団地を結ぶものを中心としたものに変わりましたが、八乙女駅は引き続きターミナルとして一定の利用のある駅となっています。
八乙女駅の西、杉ノ田交差点から分岐し北東へ進む道筋が旧奥州街道筋にあたります。現在ではそのまま北へ、泉中央副都心方面へのルートがメインとなっているため、旧道は相対的に交通量は少なめな印象です。七北田橋で七北田川を越えた先が、旧宿場町に由来する、泉区における旧市街地を形成した町場であることは、本稿でもお話をしてきました。八乙女駅周辺はその町場へと続く、七北田川対岸の小集落でした。仙台都市圏からの郊外化と、地下鉄駅の開業、前述の道路網の整備により利便性が向上した現在は、中低層のマンションやロードサイド型店舗が多く立地する地域へとその様相が変化しました。北環状を東へ進み、大型スーパーの東側の交差点から南へ、河岸段丘の急崖を上り東黒松団地へと至る道路から見ても、段丘面を刻む谷筋に沿って進む地下鉄線の高架に沿うようにいくつものマンションが立地していました。 地下鉄南北線は黒松駅で地上に出て、真美沢堤と呼ばれる溜池を高架で越えて河岸段丘を侵食した小規模な谷間を辿り、そのまま高架上を進んで八乙女駅へ到達します。そのため、八乙女駅の手前で七北田川流域への視界が一気に開けて、泉区内における河岸段丘上の丘陵一帯に開発された団地の風景が印象的に目に入ってきます。そして、仙台を訪れ、この区間の地下鉄を利用する度に、八乙女駅周辺の建物の密度が増してきていることを実感しています。地域内における区画整理が進行し、これまで宅地開発の中心であった丘陵地域に並行して、都心へのアクセス性に優れたこのエリアでも急速に住宅地域としての整備が進行してきているのでしょう。駅の周辺を歩いてみて、こうしたことを改めて感じることができました。
地下鉄線の西に開発された黒松団地に対し名付けられたと思われる東黒松団地を南へ、地下鉄黒松駅方面へと歩を進めます。真美沢堤は、地下鉄線が進む谷筋を流れる沢の上流部を堰き止めて、下流の農地の灌漑用に建設された溜池です。周囲には多くの住宅団地が建設されていますが、かつて丘陵地全体を覆っていた山林の緑もまだ十分に残っていまして、緑に覆われた住宅地の中を、地下鉄の高架線が進む様子を確かめることができます。そしてその視線の先には、真美沢堤の上流部の窪地を利用して造られた黒松駅周辺を遠望することもできました。東黒松団地は、住居表示の実施が1978(昭和53)年から1981(昭和56)年とのことなので、比較的古い住宅団地であると思われます。その団地が名前の元にしている黒松団地方面へと向かいました。 |
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