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俳句の中の地域

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#570 おくのほそ道風景地・大垣船町川湊の風景(岐阜県大垣市) (2024年9月30日執筆)

 2015年9月22日、岐阜県大垣市街地を散策しました。城下町の大垣ですが、河川による舟運でも栄えました。そうした痕跡を随所に残す風景は、往時の町の趨勢を今に伝えていまして、大変奥ゆかしく感じました。また、大垣は松尾芭蕉の「おくのほそ道」の結びの地でもありまして、そうした事跡を記念する施設なども存在しています。
 
薄紅葉 川湊に 艀一つ

おくのほそ道風景地・大垣船町川湊の風景
おくのほそ道風景地・大垣船町川湊の風景(2015.9.22撮影)



#569 日光・神橋の見える風景(栃木県日光市) (2024年9月29日執筆)

 2020年9月20日、日光東照宮・二荒山神社への入口、大谷川に架かる神橋の様子です。朱塗りの橋は神域と世俗とを分ける意味合いもあって、その厳かでしなやかな佇まいは、日光の深淵な雰囲気をいっそう格調高いものにしているように感じられます。大谷川の渓流も神橋の辺りでは穏やかになって、ここを訪れる人々をしずかに受け入れていました。
 
秋天の神橋 渓流の淵

日光・神橋の見える風景
日光・神橋の見える風景(2020.9.20撮影)



#568 鞆の浦、瀬戸内海を見渡す風景(広島県福山市) (2024年9月28日執筆)

 2003年9月1日、広島県福山市の鞆の浦(とものうら)を訪れました。瀬戸内海のほぼ真ん中、豊後水道から入る潮と紀淡海峡から入る潮が出会う場所ともされ、古くから風待ちの港として栄えてきました。さらに、瀬戸内海に臨む風光にも優れていまして、古くから残るレトロな町並みも相まって、瀬戸内海の美しさを代表する地域ともなっています。
 
冷やかや 雁木の濡れる 鞆の浦

鞆の浦、瀬戸内海を見渡す風景
鞆の浦、瀬戸内海を見渡す風景(2003.9.1撮影)




#567 吹屋ふるさと村、ベンガラ色の町並みの風景(岡山県高梁市) (2024年9月27日執筆)

 2007年9月1日、岡山県高梁市成羽町にある「吹屋ふるさと村」と呼ばれる町並みを訪れました。石州瓦とベンガラの漆喰壁の赤い町並みとして知られます。鉱山町としてベンガラ(酸化第二鉄)を産出した有数の町場として栄えました。その独特の色合いの家並が往時の繁栄を今に伝えています。
 
初紅葉 ベンガラ色の 屋根の町

吹屋ふるさと村、ベンガラ色の町並みの風景
吹屋ふるさと村、ベンガラ色の町並みの風景(2007.9.1撮影)



#566 北海道十勝地方、幸福駅の風景(北海道帯広市) (2024年9月26日執筆)

 2010年9月18日、1987(昭和62)年の廃線後も観光スポットとして残る、旧国鉄広尾線の幸福駅を訪れました。NHKの紀行番組で紹介されたことでブームとなり、同じ線内の愛国駅をセットとした「愛国から幸福ゆき」の切符は多くの人々が求める名物となりました。十勝平野の只中にある小さな駅舎が、今日でもここを訪れるたくさんの訪問者に「幸福」を届けています。
 
草の実や 幸福駅を抜ける風

北海道十勝地方、幸福駅の風景
北海道十勝地方、幸福駅の風景(2010.9.18撮影)



#565 蒲生のクス、夕方の風景(鹿児島県姶良市) (2024年9月25日執筆)

 2014年9月6日、鹿児島県姶良市蒲生(かもう)にある、蒲生のクスに出会いました。高さ約30メートル、樹齢約1500年という巨樹で、かつて行われた国の調査では日本最大の巨木と認定されています。蒲生八幡神社の境内に構える大樟はとても雄大で、暮れゆく夕日を穏やかに受けて、のびやかな佇まいを見せていました。
 
九州に大樟 秋を凜と行け

蒲生のクス、夕方の風景(2014.9.6撮影)



#564 東京駅・初秋の風景(東京都千代田区) (2024年9月24日執筆)

 2023年9月2日、まだまだ残暑の厳しい東京駅の風景です。丸の内口の豪奢な煉瓦造りの駅舎は東京を代表するランドマークのひとつであり、また周辺のオフィス街の現代的な都市景観もまた、世界都市東京を象徴する風景でもありますね。東京駅の煉瓦の目地は半円形に膨らんだ工法(覆輪目地)になっており、創建当時の匠の技が再現されています。
 
秋彼岸 東京駅の 目地の白

東京駅、初秋の風景
東京駅・初秋の風景(2023.9.2撮影)



#563 赤岩、山村・養蚕集落の遠景(群馬県中之条町) (2024年9月23日執筆)

 2006年9月2日、中之条町(当時は六合村)の赤岩地区に出かけました。山村・養蚕集落としての遺構を色濃く残す典型として、この年の7月に県内では初めて重要伝統的建築物群保存地区(重伝健)に指定された地域です。養蚕が盛んな土地であった群馬県においても養蚕業は衰退の一途を辿っていまして、この地区の風景が往時の繁栄を残す貴重な資産ともなっています。
 
紫蘇の実や 養蚕村の 休耕地

赤岩、山村・養蚕集落の遠景
赤岩、山村・養蚕集落の遠景(2006.9.2撮影)



#562 海峡ゆめタワーから観た下関市街地の風景(山口県下関市) (2024年9月22日執筆)

 2014年9月8日、山口県下関市の市街地を歩きました。この年は40歳を迎える年度で、年度内に47都道府県を巡る計画を立て、九州一周の行程に下関訪問を加えたのでした。この日の下関は雲ひとつない穏やかな晴れの一日で、関門海峡も穏やかに太陽の光を受けていました。
 
早鞆の瀬戸 白群色の 海と空

海峡ゆめタワーから観た下関市街地の風景
海峡ゆめタワーから観た下関市街地の風景(2014.9.8撮影)



#561 立山・弥陀ヶ原の秋の風景(富山県立山町) (2024年9月21日執筆)

 2018年9月18日、長野県側から富山県側へ、立山黒部アルペンルートを縦貫しました。立山側の拠点である室堂から西へ、立山有料道路の通る弥陀ヶ原で路線バスを降りて、火砕流台地である高原を歩きました。湿原となっている弥陀ヶ原は草紅葉はたいへんに美しく、ナナカマドが紅葉し、竜胆が輝く、秋らしい風景に出会えました。
 
朝冷や 溶岩台地の遊歩道

立山・弥陀ヶ原の秋の風景
立山・弥陀ヶ原の秋の風景(2018.9.18撮影)

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