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#21 四万ブルー、そして大室公園へ 〜晩夏の上州を体感する〜 2020年8月4日、中之条町の北部の山間にある四万方面へと足を伸ばしました。上毛かるたでも「世のちり洗う四万温泉」と詠まれているとおり、古くから湯治場として栄えた四万温泉ですが、この日の目的は温泉ではなく、温泉街の脇を通り抜けた先、四万川ダムによって造られたダム湖・奥四万湖の呈するコバルトブルーの湖面です。
そのあまりに美しい神秘的とさえ感じる青色は、「四万ブルー」と賞賛されて、近年脚光を浴びています。この日はやや雲の多い晴天で日差しはそれほど強くはありませんでしたが、それでも湖面はとても深い青色に染まっていまして、周囲の山々の滴るような青緑色とこの上ない対照を見せていました。四万川ダムは1999(平成11)年の完成と、比較的新しい部類のダムです。洪水調整のほか、水道用水の供給、既得用水の安定化、河川環境保全、そして発電と多目的に供される、重力式のコンクリートダムです。堤体の上から眺める湖の風景は、湖面をわたる風が夏の暑さを緩和してくれて、そして「四万ブルー」の奇跡のような輝きが何より目に涼やかさを届けてくれていました。 奥四万湖を周回するドライブルートを回りながら、四万ブルーの見える風景を確認した後は、四万川から吾妻川、そして利根川へとつながる水系を戻り、前橋市内東部に位置する「日本キャンパック大室公園」に立ち寄りました。国指定史跡である前二子古墳・中二子古墳・後二子古墳・小二子古墳(大室古墳群)の周囲を歴史公園として整備した公園です。園内は、埴輪が配されて古代の趣を感じさせるようになっている古墳群が豊かな自然に囲まれていまして、を園地帯が開けて、五料沼の水面も相まってさわやかな水と緑とを味わうことのできる場所であるように感じられました。
前出の「上毛かるた」では、「しのぶ毛の国二子塚」と詠む札もあります。「二子塚」とは、前方後円墳を指す言葉です。県内にはこの大室古墳群をはじめ、多くの古墳が存在しており、東国における主要な地位を占めていたかつての「毛の国(現在の栃木県・群馬県の範囲にあった令制国、後に栃木県にあたる部分が「下野国」、群馬県側が「上野国」に分離)をまさに偲ぶことができます。 |
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