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#23 晩秋の金山、ハイキングコースを歩く 〜さまざまなルートが楽しめる里山〜 2020年11月18日、地元の金山を散策しました。太田市街地の北、市のほぼ中央に位置する金山は、関東平野の北部に位置する独立峰です。標高は230メートルほどで、麓に位置する古刹・大光院や金龍寺の周辺にある駐車場から歩いても気軽に登れる里山です。大光院近くを流れる八瀬川の桜も美しく色づいていまして、晩秋の風情を感じさせました。
「子育て呑龍さま」として崇敬される大光院の境内でも、カエデやイチョウの木々が美しく色づいていました。境内の北側へ進みますと、金山への「西山ハイキングコース」へと向かうことができます。程なくして、道は二手に分かれますが、今回は金山をそのまま登るルートは採らず、北の金龍寺方向へと向かう道へと歩きました。松波の美しい山道を進み、紅葉の名所としてもしたれる金龍寺境内へ。参道の石段の紅葉はまだ緑が鮮やかなものから橙色に染まりつつあるものまであって、晩秋から初冬へ移り変わる季節を実感しました。金龍寺の裏手には、金山に築かれた金山城の城主であり、金龍寺を菩提寺とした横瀬(後の由良)氏一族の五輪塔と、その祖とした新田義貞の供養塔が佇みます。天然の要害として戦国武将が群雄割拠した時代の痕跡を辿りながら、ハイキングコースを進んでいきます。 「からたち沢」と呼ばれる沢のつくる谷に沿って山道を登っていきますと、やがて先ほど分岐して金山丘陵の尾根筋を辿ってきた道と合流します。その場所には四阿があって、周囲の木々のやわらかな風景を見ながら休憩をとることができます。落葉広葉樹の森は黄色や琥珀色に穏やかに色づいていまして、間近に迫った沈黙の季節へと身を委ねているようにも感じられます。この場所は初夏における新緑の季節もまた美しい自然の色彩に出会うこととができます。ここからはゆるやかな登りの山道を登って、車道がつながる駐車場のある場所まで一気に歩いて行きます。モータープールと呼ばれる駐車場周辺には堀切(現地にある石碑には「塹壕」と書かれたものもあります)もあって、中世の山城跡としての姿も垣間見ることができます。
山頂は中世に山城が築かれた往時の姿への復元がなされて、堅牢な石垣と鮮やかに残る堀切との織りなす風景を体感することができます。西側の標高の高い場所には物見台に模した展望台もあって、北側の八王子山丘陵や赤城山などを一望できます。山頂の新田神社を参拝後は、金山を横切る市道を越える御城橋、平和の塔を経て市街地へと戻りました。晩秋から初冬の装いへと移り変わる金山の森は、穏やかに色づいていまして、多様なハイキングコースを辿りながら、里山のしなやかな季節感に触れることができました。 |
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