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関東の諸都市・地域を歩く
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#114 沼田市街地を歩く 〜河岸段丘上に発達した城下町〜 2016年11月13日、快晴のJR沼田駅前に降り立ちました。沼田は利根川とその支流の片品川、薄根川が開削した大規模な河岸段丘が数段にわたり発達している地域として知られています。市街地は段丘上にある一方、駅は段丘の下に位置しています。沼田駅を跨ぐ歩道橋の上からは、駅前の簡素な商業地の目の前にそそり立つようにしてある段丘崖が印象的に目に入りました。 北方には頂に雪を抱いた上越国境の山並みも望むことができます。
駅前の通りを東へ、市街地へを歩を進めます。程なくして河岸段丘が作り出した急峻な崖へと行き着き、車道は大きくカーブを描きながら登坂していきます。ハイキングのコースはその坂の入口、清水町の交差点を北へ折れて、利根沼田地域の総鎮守とされる榛名神社へと向かいました。沿道には丸太が積まれた製材所もあって、林業が盛んな当地の地域性を思わせました。県道から参道へと入る場所には朱塗りの大鳥居があり、住宅地の中をまっすぐに進む参道をさらに歩きますと、色づき始めた社叢に 穏やかに抱かれた境内へと導かれました。本殿は1529(享禄2)年建立、この地に居城を構えた真田伸之が1615(元和元)年に再建しています。神社東の榛名町交差点に出て、そのまま河岸段丘の坂(榛名坂)を上る道を辿って、段丘面に広がる市街地へと足を踏み入れます。段丘崖は瑞々しい林を伴っていまして、湧水や、崖を直接昇る石段も認められました。また、標高が上がるにつれて駅前周辺への眺望も美しく広がっていきます。 商工会館前交差点を左折し、沼田公園へ。沼田城址に整備された公園は季節それぞれに豊かな色彩を見せる歴史公園として市民ならず多くの訪問者に親しまれる存在です。北と西を急崖に守られたまさに天然の要害である沼田城は、この地が交通の要衝であったこともあいまって、戦国期から江戸時代にかけて多くの城主が入りこの地を治めました。公園内は紅葉がまさに見頃を迎えており、かつての城郭を偲ばせる鐘楼や発掘で発見された石垣などの事物とともに、晩秋から初冬へと時を進める公園内を彩っていました。公園内に移築された旧生方家住宅や旧土岐家住宅洋館を一瞥しながら環状線に出て、柳町交差点から三光院を訪問しながら市街地方向へ。沼田市街地に生活用水を引き入れた城堀川の風情が美しいそのほとりには天桂寺があります。初代沼田藩主真田信之の長男で二代藩主となった真田信吉の菩提寺として知られます。
天桂寺からは市街地を南へ進み、天狗プラザ東交差点を西へ、沼田市の中心市街地へと入りました。沼田まつりで担がれる大天狗面が安置される「街なか天狗プラザ」のほか、旧沼田貯蓄銀行の瀟洒な建物など、現代の町並みの中に多くの古い建物が残る、城下町から発展した豊かな町並みが広がっています。段丘崖の突端に境内を持つ正覚寺からの眺望を確認しながら、再開発ビル「グリーンベル21(市役所が移転予定で、現在は「テラス沼田」として再整備中)」の前を通り、沼田駅へと下りる石段を進みました。駅から市街地へ進む市民が利用する道は鮮やかな紅葉に覆われて、段丘とともにあるこの町の特徴を端的に示していました。 ※今回のフィールドワークは、JR東日本主催の「駅からハイキング」の「上州真田の里 沼田市の秋 真田氏ゆかりの地をめぐる」に参加することにより実施しました。 |
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