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#2 宇都宮市街地 〜町はここから始まる〜 春のうららかな日和に恵まれた土曜日、宇都宮の町はどこも多くの人で溢れていました。市役所から、大いちょう、中央生涯学習センター前のポケットパークなどを概観しながら、多くの人出でごったがえすオリオン通りのアーケードを経て、東武宇都宮駅前へ。市役所の東、現在宇都宮城の復元工事が進む御本丸公園から、これまでに歩いたルートはほとんどがかつての宇都宮城下であった場所なのですが、町の所々に当時の町名などを示す表示があるものの、明治期以後の市街地化や戦後の都市化、近代化によって街の様子は一変してしまったことを如実に印象づけられる町並みであったと思います。東武宇都宮駅周辺の商業集積地を背に、駅前大通りへ。ここも新旧の商店が入り混じりながら存在する一大商店街になっています。やや古くなっているアーケードが残る一方、歩道の多くの部分にはアーケードは無く、アーケードというよりは、豪雪地域などに見られる「雁木」のような体をなしているのでした。その佇まいと、時を経た商店とのコラボレートが、駅前大通りの一番の見所かもしれないなとも思いました。後に歩いた、駅前の宮の橋たもとに、奥ゆかしい家構えの旅館がありました。宇都宮の町が、今も昔もこの地域の中核であることを、その景観は語りかけているようです。
本町の交差点から、栃の木の街路樹が建ち並ぶ方向へ進みます。この栃木県庁へと向かうルートは、学生時代、県庁にしばしば統計データ参照のために通っていましたので、馴染みのある場所です。県庁のほか、県警本部、栃木会館、県立図書館、県総合文化センターなどの諸施設が点在するエリアとなっています。そして、このエリアには大規模な建物の間に、昔ながらの建物も往時の姿を残している空間でもありました。NTTの巨大なビルのたもとには、古いながらも頑強なつくりをしている、モルタルの蔵を持つ建物がありました。二荒山神社の杜の緑にやさしい雰囲気を与えるかのような町の残影は、わずかながらも、鮮烈な存在感です。 塙田トンネルの脇、蒲生神社の鳥居の横を過ぎながら、宇都宮市街地の北の緑地として穏やかな散策を楽しむことができる八幡山公園へ向かいました。丘陵に屹立する宇都宮タワーの展望室から、市街地を俯瞰しました。北東の田川のつくる広大な沖積地が展開し、その中に東北新幹線の高架が横切っている様子から、北側の八幡台や富士見が丘などの団地が広がる様子を眺めながら、西側、南側、東側と、緩やかな傾斜を持ちながら展開する大地に広がった市街地を眺めました。この日はたまたま霞の影響で遠方への視界が開けず遠くの山々を見通すことができませんでしたが、その分、宇都宮の市街地の広がりをしっかりと実感することができたのでした。
宇都宮の町は、市街地に鎮座する二荒山神社の門前町であったことがルーツです。今や参道の両側に高層建築物が迫り、それらの中に埋もれるかのような格好になっていますが、石段を登り、山門の前から市街地を見渡しますと、この門前がまさに宇都宮の町のオリジンであることは一見して理解できたような気がいたしました。周囲の町の色が、これまで歩いてきたどの町のそれよりも重厚であるように感じたのです。 八幡山から宇都宮の市街地を眺めて、率直に感じたのは、本当に宇都宮は八幡山の丘陵を背に大きくなっていったんだなあ、ということでした。二荒山神社周辺は、そんな宇都宮の礎であったのかもしれません。土曜日も午後3時を回りましたが、町は多くの人々が闊歩していました。 |
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