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シリーズ京都を歩く
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1.東山散策 |
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第二段 清水寺界隈 清水寺界隈は、京都を訪れる多くの人たちにとって、まさにハイライトシーンといえるのではないでしょうか。祇園から、落ち着いた雰囲気の坂道をのぼり、観光色が強いものの、やはり風情を感じさせる景観の参道を経て、仁王門をくぐり、三重塔を見ながら、本堂の舞台へ至るルートは、京都を最も感じさせる風景の1つです。舞台からの京都市街の俯瞰は、何度見ても壮観でした。相対的には近代的な都会であるにもかかわらず、随所に1000年の歴史の蓄積を感じさせる造形がいきいきと輝くこの古都において、その市街地を俯瞰し、それらを取り巻く緑がおだやかな眺めは、このまちの姿を代表しているというにふさわしいといえるのではないでしょうか。清水寺でひいたおみくじは、「大吉」。幸先のよい、2003年のスタートです。 清水寺から、三年坂、二年坂を下ります。石畳がおくゆかしく続くさまはあまりに著名で、昨今はやはり観光客相手のみやげ物店が並ぶ光景ばかりに目が行きがちですが、昔ながらの商店あり、古めかしいつくりの開業医あり、元気いっぱいのこどもたちが自転車に乗って通過するなど、そこは、観光地ということ以上に、人々が普通に生活する場所であるということによって輝きを放つ場所なのではないとかと思われました。
清水界隈のシンボルとも言える法観寺の八坂塔のふもとを過ぎ、木塀のつつましやかな家々の並ぶ小路を縫って進むと、高台寺に至ります。ここは、庭園が美しいお寺でした。丘陵地の段差をうまく生かしたその庭園は、偃月池と臥龍池を中心に、石組みや「鶴島」を表現した盛土が絶妙に配されて、龍斜面に臥せるさまをモチーフにした臥龍廊などが、東山の緑を借景にみごとに自然美を創出しているのでした。京都という、西日本と東日本の要素が相互に交錯する土地において、その環境が織り成すゆたかな四季の変化が、自然豊かな社寺、季節感を敏感に取り入れた日常生活のありさまとして、まさにここに開花しているのではないかと思えました。 この後、京都の町屋の撮影にしばしば使われるという、石塀小路の景観を楽しみ、祇園方面へと向かいました。石塀小路では、家々や店々ががそれぞれに趣向を凝らした正月飾りを玄関先にさりげなく置いていて、正月の風情を感じることができました。 |
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