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新潟・天地豊穣
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#17 新潟市巻の町並み 〜穀倉地帯を貫通した水運のまち〜 2020年6月17日、JR新潟駅周辺を散策した後、市街地を南下、市内西蒲区の中心的な市街地を形成する巻地区へと向かいました。旧巻町を含む新潟市周辺の12市町村は、2015(平成17)年3月に新潟市に編入され、現在の政令市・新潟の礎となりました。それらのうち、西蒲原郡に属した地域を中心に、現在の西蒲区が成立しています。巻バイパスとして一大幹線道路となっている国道116号を進み、田園地帯から巻の市街地へ。区役所に自家用車を駐車して、巻の町の散策を始めました。
JR越後線の巻駅前から伸びる通りの先には、地域を見下ろしすランドマークである角田山のたおやかな山並みを見通すことができました。少し歩きますと、品のよい松の木が配された料亭の建物がある一角があったので、その路地へと入りました。この建物のほかにも、明治期以降のこの町の繁栄を思わせる建物が随所に残されていまして、在郷の中心地として栄えたこの町の歴史を感じました。 中心市街地である本町通り(県道374号)をいったん横断し、市街地の西側へと出ます。そこには西川の小さな流れが町中をゆったりと貫通していました。西川は、越後平野の東側を流れる信濃川の支流です。古来より乱流を繰り返してきた信濃川の旧河道のひとつと目されるこの川は、中世以降農業用水として盛んに開発され、近世以降は年貢米などを輸送する、「神原舟道」と呼ばれる舟運の動脈としても大いに機能していました。巻の市街地の只中をゆったりと流れる流路はまさに運河として利用されてきた歴史を感じさせるように、豊かな水を湛えながら町並みに寄り添っていました。
町並みの西側の市街地を歩きながら、本町通りへと進みます。通りを北には歩きますと、諏訪神社の鳥居前へと至ります。県道はここでクランク状になっていて、市街地の入口におけるいわゆる枡形を形成しています。ここから南には。雁木を備えた昔ながらの巻の中心市街地が軒を連ねます。敷地の一部に深い軒をつけて隣家と連続させ、アーケード状の歩道を構成させる「雁木」は、雪国である新潟県内では一般的に見られる都市施設です。舟運の中心の一つとして栄え、在郷の商業地としても一定の中心性を保ち続けた巻の生い立ちを、穏やかな町並みの中に濃厚に感じることができました。 |
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