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シリーズ・クローズアップ仙台

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#95 シリーズ・地下鉄東西線を行く(8) 〜仙台駅から西の諸駅をめぐる〜

 2015年12月21日、厳冬の仙台を1年ぶりに訪れました。同じ月の6日に開業した地下鉄東西線の各駅を訪問するフィールドワークを行うことが今回の主な目的です。前日仙台入りした東口の投宿先を早朝に出発し、開発が進む東口の様子を確認しながら早速真新しい東西線のホームへ向かい、西の起点である八木山動物公園駅へ走る電車に乗り込みました。新しい路線だけあって、はじめからホームドアも設置されています。東西線の車両は通常よりも小さいいわゆる「ミニ地下鉄」であり、リニアモーター式を最小していることが特徴です。そのやや小ぶりな4両編成の列車から、全線で唯一地上をゆく広瀬川橋梁部分から見通せる広瀬川の風景を初めて車内から視認しました。

仙台駅東口

JR仙台駅東口の様子
(宮城野区榴岡一丁目、2015.12.21撮影)
八木山動物公園駅

八木山動物公園駅の景観
(太白区八木山本町一丁目、2015.12.21撮影)
八木山動物公園駅前

八木山動物公園駅前の景観
(太白区八木山本町一丁目、2015.12.21撮影)
標高日本一の表示

八木山動物公園駅屋上・標高日本一の表示
(太白区八木山本町一丁目、2015.12.21撮影)
八木山てっぺんひろば

八木山てっぺんひろば
(太白区八木山本町一丁目、2015.12.21撮影)
八木山てっぺんひろばからの眺望

八木山てっぺんひろばからの眺望
(太白区八木山本町一丁目、2015.12.21撮影)

 1年前、外構部分の工事が急ピッチで進捗していた八木山動物公園駅は、バス・タクシープルや大規模なパークアンドライド駐車場の施設も完成し、西側の交通結節点としての姿を見せていました。地下駅への入口にはエスカレーターが設置されているところが多いようで、バリアフリーに配慮された設計が印象的です。立体駐車場は2階から屋上(5階)までを占めていまして、屋上からは駅名にもなっている八木山動物公園へアクセスできます。バスプール内の時計の支柱やホームエレベーターの壁面、屋上の展望スペース「八木山てっぺんひろば」の透明な柵などには動物のイラストがふんだんに配されていまして、楽しい雰囲気を盛り上げていました。八木山動物公園駅はレールのある面の標高が136.4メートルで、これは地下鉄駅としては日本一の標高にあたります。その日本一の高さにある駅舎の「てっぺん」からは、八木山の丘陵上に広く展開する住宅地の向こう、仙台中心部との間に「ついたて」のように屹立する大年寺山の山塊を介して、太平洋に向かってひろがっていく、仙台市南東部の風景を一望することができました。

 八木山動物公園駅前からは、遊園地「ベニーランド」の前を通り、八木山橋を渡る市道を徒歩でたどって仙台(青葉)城跡へ進み、仙台市中心部のパノラマを確認しました。この日の仙台は薄光の曇り空でしたが、中心市街地のビル群から遙か彼方の太平洋の水面までくっきりと眺めることができる、冬らしい風景の中にありました。大橋と仲の瀬橋との間に完成した地下鉄東西線の広瀬川橋梁上をゆく電車の様子もはっきりと見通せました。震災の被害を経て2015年2月にようやく復旧した市道仙台城址線を下って、仙台城隅櫓を一瞥しつつ、大橋へ下る坂を軽やかに歩を進めます。この大手門跡前から大橋へ下る坂越しに見る仙台市街地の風景は木々の間にビル群が垣間見える、実に杜の都仙台らしい景観の一つでは無いかと思います。戦災で焼失した大手門が現存していないことが本当に悔やまれます。

仙台城跡

仙台城跡から広瀬川橋梁をゆく電車を見る
(青葉区川内、2015.12.21撮影)
仙台城跡

仙台城跡から国際センターと国際センター駅を眺望
(青葉区川内、2015.12.21撮影)
仙台城跡

仙台城跡から太平洋を望む
(青葉区川内、2015.12.21撮影)
市道仙台城址線

復旧した石垣と市道仙台城址線
(青葉区川内、2015.12.21撮影)
大手門跡

大手門跡から大橋方向を望む
(青葉区川内、2015.12.21撮影)
東北大学川内キャンパス

東北大学川内キャンパス
(青葉区川内、2015.12.21撮影)

 二の丸跡に広がる東北大学のキャンパスを抜けて、やはり周辺の整備を終えて清新な佇まいを現出していた川内駅へと進んで、ここから2駅・大町西公園駅へ。仙台における桜の名所の一つに数えられる西公園の南端、大町交差点直下に位置するこの駅の周辺も工事をほぼ終えて、大町のシンボルである御譜代町の櫓状のモニュメントも輝かしく青葉通の木陰の下に佇んでいました。

 大町西公園駅からは大坂を下って大橋へと進み、再び広瀬川の右岸へと戻って、橋梁を走り抜ける電車の様子を右手に見ながら、国際センター駅へと歩きました。国際センターの建物の北側に完成した同駅の駅舎は、ガラス張りのファサードがシャープで機能的な印象を与える建物です。駅の2階はフリースペース(2016年3月にはカフェもオープンしています)もあって、東側のデッキからは広瀬川橋梁を行く電車越しに仙台の町並みを展望することができるようになっています。国際センター駅の北側には駐車場もありまして、国際センターや宮城県美術館、南側の仙台市博物館などを中心とした施設や青葉山の歴史と自然などを周遊できる環境が整えられました。南側からは国際センターの建物越しに青葉城跡方面への視界も開けていまして、よく目を凝らしますと、伊達政宗公の騎馬像も見ることができました。

川内駅

川内駅
(青葉区川内、2015.12.21撮影)
川内駅前

川内駅前の景観
(青葉区川内、2015.12.21撮影)
大町西公園駅

大町西公園駅
(青葉区桜ケ岡公園、2015.12.21撮影)
大橋から地下鉄東西線を望む

大橋より広瀬川橋梁をゆく電車を望む
(青葉区川内/桜ケ岡公園、2015.12.21撮影)
国際センター駅

国際センター駅
(青葉区青葉山、2015.12.21撮影)
国際センター駅

国際センター駅から広瀬川橋梁を望む
(青葉区青葉山、2015.12.21撮影)

 国際センター駅からは北へと針路をとって、仙台二高と県美術館の間を歩いて澱橋へとさらにフィールドワークを進めました。北仙台駅周辺の住んで大学との間を通学する生活をしていた筆者にとっては、この橋はその途上に位置していましたのでたいへんなじみ深い場所です。校舎の新築工事が進む尚絅学院中学・高校の前を通過し、東北大学に至近なことから学生も多く居住する中島丁・角五郎エリアへと入りました。ここからは地下鉄東西線からはいったん離れて、この地域の姿を確認する過程へと移ることとなります(次項へ続く)。


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