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東京優景 〜TOKYO “YUKEI”〜

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#77 神田から根津へ、春の風景 〜根津神社のつつじをめぐる〜 (千代田区・文京区)

 2019年4月15日、所用で東京を訪れる機会があり、春らしい陽気であったため、訪問先の神田から根津へプチ散策を行うことにしました。神田駅前の飲食店が集積するエリアから外堀通へと出て、淡路町交差点方面へと歩きます。神田駅の西口周辺は内神田として住居表示がなされる一方、多くの地域が「神田」を冠した町名を称しています。これは旧麹町区と旧神田区が統合して現在の千代田区になった際、神田区の町名に「神田」を付けたことによるものです。外堀通り沿いの神田司町は一丁目が内神田となったため二丁目のみが残ります。実はこの神田司町の区域も明治期に区画整理によりいくつかの町名が合併して誕生した経緯があります。藩政期の町人の町から近代都市へと変貌する中で、町の姿も変遷してきたことを、町名の変更が示していると言えるのかもしれません。

淡路町交差点

淡路町交差点
(千代田区神田小川町、2019.4.15撮影)
小川町交差点

小川町交差点
(千代田区神田小川町、2019.4.15撮影)
不忍通り

根津一丁交差点付近、不忍通り
(文京区根津一丁目、2019.4.15撮影)
根津神社へ向かう路地

根津神社へ向かう路地
(文京区根津一丁目、2019.4.15撮影)

 靖国通りとの交差点である淡路町周辺は、中高層のオフィスビルなどが林立する都心の只中となっています。交差点にある地下鉄の入口は丸ノ内線淡路町駅のほか小川町駅の表示もあり、靖国通り下を通過する都営新宿線の駅である小川町駅との連絡が可能であることを示しています。なお小川町駅からは、本郷通りを通る千代田線の新御茶ノ水駅との徒歩連絡もできるようになっていまして、短い距離に複数の地下鉄線が入り交じる都心ならではの光景であると言えます。靖国通りをへて小川町の交差点へと進み、そこから「小川町駅」と「新御茶ノ水駅」の表示が併記される地下鉄の入口から千代田線のホームへと向かいました。平日の午後、麗らかな空の下、都心の道路はほどほどに交通量を流していまして、活気のある巷を形成していました。

 新御茶ノ水駅から2駅進んだ根津駅で下車し、つつじの花で知られる根津神社へと向かいます。不忍通りと言問通りの交差点(根津一丁目交差点)下の駅から地上に出ますと、「文京つつじまつり 根津神社」の看板が目に入りました。中層のマンションや戸建ての家も少なくない、神田界隈とは違った町並みが広がる不忍通り沿いを進み、神社入口の交差点から西へと入りますと、木造の昔ながらの民家もあって、近代以降穏やかな住宅地として過ごしてきた根津地域の雰囲気を感じることができました。ヤエザクラが路傍に艶やかな花を咲かせる路地を歩きますと、程なくして道は緩やかな上りとなって、根津神社の鳥居の前へと至りました。経大に隣接して現代的なマンションが建っていまして、今と昔が交錯する風景となっていることも東京らしい光景であると感じます。


根津神社前

根津神社前、緩やかな上り坂
(文京区根津一丁目、2019.4.15撮影)
根津神社

根津神社・鳥居前
(文京区根津一丁目、2019.4.15撮影)
根津神社楼門

根津神社・楼門
(文京区根津一丁目、2019.4.15撮影)
根津神社のツツジ

根津神社・満開のツツジ
(文京区根津一丁目、2019.4.15撮影)
根津神社・ツツジ

根津神社・ツツジ
(文京区根津一丁目、2019.4.15撮影)
根津神社

根津神社
(文京区根津一丁目、2019.4.15撮影)

 根津神社は社殿によると、日本武尊が1900年あまりの昔、千駄木の地に創祀したとされます。現在の1706(宝永3)年の建立で、権現造の特徴ある社殿は重要文化財の指定を受けます。春本番のこの日、本郷台西端の崖に沿って植えられた、約100種・3000株というツツジはまさに見頃を迎えていまして、白から紫、紅色、そして朱色に近い色合いのものまで、多様な花が境内を覆っていました。ツツジを取り巻く木々も早緑色の新芽を生じさせているところで、透き通るような春空と日の光に、そのみずみずしい色彩を溶け込ませていました。



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