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きらめきの上州譜

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#13 太田市内散策(2)金山から鳥之郷へ 〜里山の緑に溢れる景色〜

 コロナ渦の現況を鑑み、地元太田市を中心とした地域を見つめるフィールドワークは、太田市の中央部に聳える金山丘陵からその西麓の鳥之郷地区へと進む行程を進みました。金山は標高239メートルほどの丘陵です。中世には堅牢な山城が築かれ、山頂付近ではその遺構が豊かに再現されています。現在では市内外の多くの人々から愛されるハイキングコースが多数存在する里山としての顔を、金山は見せてくれています。

東金井町から見た金山

東金井町から見た金山
太田市東金井町、2020.4.11撮影)
神明宮

神明宮
太田市東今泉町、2020.4.11撮影)
「十八曲がり」

「十八曲がり」の風景
太田市東金井町、2020.4.11撮影)
金山山頂から足利市街地を望む

金山山頂から足利市街地を臨む
太田市金山町、2020.4.11撮影)

新田神社

 新田神社
太田市金山町、2020.4.11撮影)
金山城跡の景観

金山城跡の景観
太田市金山町、2020.4.11撮影)

 金山には複数のハイキングコースがありますが、東金井町の神明宮境内から登る九十九折りの山道を登ります。そのカーブが連続する形状から、地元では「十八曲がり」と通称されるルートです。新緑が生えそろいつつある木々の間から日鉱が差し込む坂道を登りますと、やがて山頂一帯に築城された金山城の塹壕跡へと到達します。現在では植生に覆われて往時の面影はかなり薄くなっていますが、「實城山東方中腹塹壕」と刻まれた石碑に史跡としての雰囲気を感じさせます。實城(みじょう)と呼ばれる山頂付近にはやや狭い箇所もありますが、ハイキングコースは軽やかに新田神社脇へとつながっていきます。

 山頂に鎮座する新田神社に参詣後、周囲に視界の利く金山からの眺望を確認します。関東平野の北縁に位置する金山からは、眼下の町並みを手に取るように見通すことができます。そうした地の利から、戦国期に山城がつくられました。現在では日ノ池、月ノ池と呼ばれる池を中心に石積みが再現されていまして、中世の山城の景観がどのようなものであったのかを偲ぶことができます。西側の物見台からは、北西方向も一望の下となって、赤城山をはじめとした山並みが美しい表情を見せてくれていました。
山頂付近から山麓の大光院や金龍寺方面へる、「西山ハイキングコース」と呼ばれる尾根筋の道筋にも、複数の掘り割りが残されていました。

金山・物見台から赤城山を望む

金山・物見台から赤城山を望む
太田市金山町、2020.4.11撮影)
ヤマツツジの花

ヤマツツジの花
太田市金山町、2020.4.11撮影)

西山ハイキングコースの風景

西山ハイキングコースの風景
太田市金山町、2020.4.11撮影)
金山浅間神社

金山浅間神社
太田市長手町、2020.4.11撮影)

金山浅間神社参道

金山浅間神社参道、合目を示す石碑
太田市長手町、2020.4.11撮影)
長手町の風景

長手町の風景
太田市長手町、2020.4.11撮影)

 ヤマツツジや桜の花が新緑に彩りを与える山道は春の清心さにみちていまして、歩いていますととても快い気持ちになります。西山ハイキングコースを経て、尾根筋をそのまま西側に進みますと、こぢんまりとしたお社の前に至りました。金山浅間神社のそれは、まださ緑色のみずみずしい金山の森に包まれていまして、四季の移ろいに身を委ねているように感じられます。そこから長手町方面へと下る山道はこの神社への参道も兼ねているようで、所々に「何合目」と刻まれた石碑も残されていました。麓の集落は長手町です。金山の西側に細長く切れ込む形となっていまして、仲春の季節、徐々に青葉が濃さを増す山並みには所々にヤマザクラの色が混ざって、えもいわれぬあたたかさを滲ませていました。

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