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関東の諸都市・地域を歩く
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#175 外秩父山地、皆野町から寄居町へ ~山地のハイキングコースを歩く~ 2020年10月3日、秩父鉄道が主催する「ロングウォークちちぶ路」に参加するため、早朝の秩父鉄道・親鼻駅に降り立ちました。栃木県日光市、鬼怒川温泉を訪れました。「美の山登山口」と掲げられた小ぢんまりとした駅舎には、ハイキングに参加する多くの人々が訪れていました。駅を出て間もなく、昔ながらの家並みが続く旧道に出ます。片側一車線の道路は、現在は東側を抜ける国道が取って代わる前は、この地域の幹線であったことが窺われました。古い町並みを歩くと、程なくして親鼻橋交差点で国道を渡り、コスモスや彼岸花など、秋の花が咲いている集落の中を東へ進みました。
今回のコースは、皆野町の親鼻駅を出発し、秩父盆地の東を取り巻く、外秩父と呼ばれる丘陵地の一角となる塞神峠を越えて寄居町側へと下るおよそ20キロメートルの歩程となります。秩父鉄道の鉄路を越えますと、道はゆるやかな上りとなって、豊かな社叢を抱える赤城大神社の前へと至りました。赤城大神社を過ぎますと、道はだんだんと細くなり、荒川の支流の穏やかな流れに沿いながら、標高を上げていきます。中空には、皆野寄居有料道路の高架が通過していまして、のびやかな山村の風景を横切っています。谷草地区を九十九折れに道路は上っていき、いよいよ山間へと眺望は移り変わっていきます。谷草地区は南東に向いた緩やかな斜面に集落が出来ていまして、外秩父の穏やかな山並みに抱かれながら、初秋の日差しをいっぱいに受けていました。 集落を抜けると、舗装された道はやがて行き止まりとなり、ルートは完全に未舗装の山道へと変わります。ツユクサやタデ、ススキなどの秋の草花がしなやかな花や穂をつける山道はとてもすがすがしくて、まっすぐに伸びる杉の人工林の下、秋の路傍を彩る、かわいらしいヨメナの花も、あちらこちらに咲いていました。山道は、寄居町と長瀞町のちょうど境界となっている尾根筋にあたっていて、若干の勾配差がある場所もあるものの、概ね歩きやすいルートです。落葉樹は秋とはいえ、まだまだ緑が美しい盛りで、秋のやわらかな日差しを受け止めて輝いていました。配布された地図上では「貴婦人城」と書かれた地点で舗装道路に出て、そこからは最初のチェックポイントである塞神峠(さいじんとうげ)へと進みます。木々に覆われる箇所が多く視界はあまりよくないながらも、荒川流域の河谷への視界が利くところもありました。
塞神峠周辺は、萩の花が多いようで、傍らには「長瀞八景」として山萩ゆれる塞神峠」として、ここが萩の美しい山道であることが紹介されていました。塞神峠は、長瀞へ下る道と、寄居町・波久礼方面へと進む道とが分岐する三叉路になっていますが、ハイキングルートはその三叉路の間から入る山道へと入る形となります。山道は尾根筋を上ってとりつけられていまして、みずみずしい木々に覆われた上りの道をゆっくりと足元を確かめながら進んでいきました。落葉の季節を目前とした木々の葉は、緑色を鮮やかに保ちながらも、日の光に透けるその色彩は徐々にその白さを受け入れつつあるように感じられて、その微妙な色のコントラストに季節のうつろいを思いました。 山道に打ち込んである小さな石柱に刻まれた地名から、仙元峠、そして葉原峠を歩いてきたことを理解します。葉原峠には石仏が祀られていまして、地域にとってこの山が昔から生活の舞台となってきたことが実感できました。その葉原峠からは、寄居町側に山道を降りて、風布地区を下っていきます。東側の緩斜面に集落が展開するこの地域では、みかんづくりがさかんなようで、ヘアピンカーブで降りていく道端からは、まだ青いみかんの実がたわわに実っている様子を確認することができました。河川浄化運動モデル事業の一環として整備された「日本(やまと)の里」の脇に出てからは、清流・釜伏川(風布川)の流れに沿って町道を歩き、寄居橋で荒川を超えて、秩父鉄道の波久礼駅前へと到達しました。
15キロコースの場合は、波久礼駅がゴールとなりますが、そのままコースを完走すべく、その先の寄居駅まで歩を進めました。ここからのルートは平地の街並みの中を進むのと、東武鉄道が開催する他のウォーキングイベントでもよく歩いてきたエリアであることもあって、快適に歩いていくことができました。前回参加した同イベントのコースとはまた別のコースとなりましたが、豊かな山間部の自然に触れ合いながら、歩くことのできる一日となったように思います。 |
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