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新潟・天地豊穣
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#2 中越地方への憧憬 〜遥かなる豊穣の大地〜 2004年10月23日土曜日、私は晩秋の尾瀬を歩いていました。間近の冬を感じさせるような寒々しい空に、一筋の光が時折差し込むような一日でした。尾瀬ヶ原は晩秋の帳を下ろして、今まさに、長い冬を迎えようとしていました。日本海側における厳冬のプロローグが、目の前で展開されているのではとも思われました。厳しい日本海岸の冬をインスパイアされた山歩きからの帰路、あの出来事は突然に、かの地を襲いました。今回は、私にとって憧憬の思いの深い中越地域について、若干の思いを書き留めます。 中越地方を、なぜもっと、もっと歩いてこなかったのだろう、と思います。 上越国境の山々に抱かれる山野、魚野川から信濃川へとドラスティックに変化する水系、そして弥彦山や国上山、越後三山を遠くに望みながら広がる、光芒たる、光り輝く、実りの大地。関越自動車道を走行しながら眺める中越地域は、とびきりの情景に満ち溢れていました。手に届くところにある宝物に触れることを怠ってきてしまったことを、これほど悔やんだことはないような気がしております。
2004年11月13日と14日、私は中越地方及び新潟市へと赴きました。そこでの経験を胸に、中越地方を温かく、そして真摯に見つめていこうと、心より思っています。十日町市内のある神社の境内に程近く、「市民の願い」と題された短い散文が掲げられていました。 雪の国のきものの町で/今日よりすばらしい/明日を夢みて 今日に限りない/感謝をささげ 今日を人々のために/働けることを/念じてやまない 冬を豪雪に閉ざされる地域に生きる人々の、飾らない奉仕に託する思いが伝わってくるような、心に響くことばだと思います。私も、かくありたい。 先ほど、テレビの報道は日本海側の豪雪を告げていました。猛烈な降雪の只中の小千谷市内の中継映像が映し出されました。あの日の尾瀬で感じた「冬の予感」は現実の鋭さを帯びて、中越地方を覆っています。長い冬。すべてを沈黙させる、冬。この厳しい時をくぐりぬけて、訪れる春の色は、希望の色彩となって、中越に届くことを祈ります。 |
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